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すじかいとは

リフォームの際に壁の位置を変更したり柱を取ったりすることができれば、自由な平面計画が可能です。しかし、壁や柱は屋根や床の重さを支えています。ここではそのような壁や柱の一部となり地震に対抗する重要な部材である「すじかい」の意味、耐震性との関係、リフォームの際のポイントについて解説します。

意味:すじかいとは

すじかいとは、柱と柱の間に挿入する構造補強材のことです。「筋交」や「筋違」と書き、隣り合う柱の上下を斜めにつなぐ斜材となっています。

機能としては柱や梁のように垂直荷重を支えるというより、地震力や風圧力など水平力を負担する役割を担っています。

在来工法の木造の場合、すじかいは柱と同じ幅で、2分の1から3分の1の厚みのものが用いられます。

斜めに一本入れたものを「片すじかい」、クロスさせて2本入れたものを「たすき掛け」と呼びます。

このようにすじかいによって補強された柱を持つ壁を「耐力壁」と呼びます。

構造計算の場合のすじかいの強さは、2本のものは2倍と見なされます。

すじかいと耐震性の関係

柱と梁だけでできた家があったとします。垂直材としての柱と水平材としての梁だけでできた四角形のフレームは見た目もスマートで、大きな窓も作れます。

しかし、地震や台風が原因でこの家に大きな水平力がかかったら、すぐに倒れてしまいます。なぜなら、四角形は弱いからです。線材でできた四角形は端部を横に押すとすぐに平行四辺形に変形します。それと同じ原理です。

ではそこに、斜材としてのすじかいを入れてみたらどうでしょうか。1つの四角形が2つの三角形となります。

三角形は部材の数が最小でできる構造的に最も安定した形です。すじかいは、この三角形を作ることで耐震性を生んでいるのです。

実際には、柱とすじかいでできるいくつもの三角形が住宅の平面に対してバランス良く配置されることと、三角形を保つためにすじかいが柱や基礎にしっかりと接合されている必要があります。

これを技術的に、耐力壁の量とバランスを考慮して接合金物を使用することで解決します。

すじかいが入った壁、リフォーム時はどうする?

リフォームの際に、なるべく開放的な空間を希望する施主は、壁や柱を少なくしたいと考えるでしょう。

壁よりも大きな窓があるほうが明るい部屋になりますし、広いワンルーム空間が欲しいのであれば柱は少ないほうが良いでしょう。しかし、既に述べたようにすじかいが入った壁は「耐力壁」と呼ばれていて、基本的にそれを取り去ることはできません。

住宅の構造や既存の耐力壁の配置によっては、別の位置に新たに耐力壁を作ることは可能です。ただし、耐力壁の量とバランスは法律の定めによって決められていますので、まずは専門家によく相談をしてみましょう。

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