IHクッキングヒーターの選び方
種類が多くてわかりにくいIHクッキングヒーターの選び方のポイントをご紹介します。
せっかく選んだのに失敗しないために基本をしっかりおさえておきましょう。
1. IHクッキングヒーターの基本情報
IHの加熱の仕組み
IHとはInduction Heating(電磁誘導加熱)の略です。磁力線の働きで鍋底自体が発熱します。
トッププレートの下のIHコイルに電流を流し発生した磁力により、上に置いた金属鍋自体を発熱させます。鍋自体が発熱するので、トッププレートは鍋の温度以上に上がりません。
また金属ではなく磁力を発生させることができないガラスの鍋や陶磁器(土鍋など)を使うことはできません。IH対応の鍋やフライパンを使用してください。
鍋底の直径のサイズが小さすぎたり大きすぎたり、鍋底が平らではなく反りがあるものなどはうまく加熱ができないことがあります。
IHクッキングヒーターの種類
- ビルトイン型
- 据置型
IHクッキングヒーターの設置タイプは大きく分けてシステムキッチンの天板に埋め込むタイプの「ビルトイン型」と流し台に置くタイプの「据置型」があります。
ビルトイン型は200V/30Aの専用コンセントが必要となりますが、各メーカーから豊富に種類が出ており、使い方や欲しい機能に合わせて選べます。
リノコでは「ビルトイン型」を取り扱っています。最近のIH本体のサイズは統一されていますので、天板(トッププレート)の幅は、75cmのワイドタイプと60cmの標準タイプの2種類から選べます。ほとんどのキッチンにそのまま設置することができます。
IHクッキングヒーターの各部位の名前
※パナソニックのKZ-Yシリーズで解説しています
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- トッププレート(天面)
- 強化ガラス作られており丈夫で、フラットなため、汚れがついても基本的に拭き取るだけでお手入れが楽々です。
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- 左右IHヒーター
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- 煮る・ゆでる・温める・蒸す
- 炒める・火力を調節して焼く
- 温度を合わせて焼く
- 揚げる
- 表示・音声に合わせて焼く
- 湯を沸かす
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- 後ろIHヒーター
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- 煮る・ゆでる・温める・蒸す
- 炒める・火力を調節して焼く
- 湯を沸かす
- ごはんを炊く
- 天面操作部
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- グリル
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- 自動で焼く
- 手動で焼く
- 温度を合わせて焼く
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- 本体操作部
- グリル・レンジフード連動など
- 排気パネル(2枚)
IHクッキングヒーターの性能
ヒーターの口数
- 3口IH
- 2口IH+ラジエントヒーター
ビルトインIHクッキングヒーターの主流は3口ともがIHのものと、左右の2口がIHで奥がラジエントヒーターのものです。
3口IHは効率的にお料理ができます。
また、さらに左右(または片側)のIHがアルミ・銅鍋などすべての金属製の鍋が使える「オールメタル対応」のものがあります。鍋にこだわりたい、今お手持ちの鍋をそのまま使いたい方におすすめです。
2口IH+ラジエントヒーターは奥の3口目がラジエントヒーターで、IHより火力は低いですがヒーター自体が加熱して鍋を直接加熱し、IHでは使えないホーロー鍋や耐熱ガラスの鍋が使えたり、網を置いて餅やのりなどを焼くことができます。
価格は2口IH+ラジエントヒーターの方が安価になります。
IHの火力は充分!
IHは火力が弱そうというイメージがありますが、200V IHの場合の火力「7」は2kW相当で、ガスコンロのハイカロリー大バーナー(※1)と同じくらいの火力(※2)があります。それを上回る火力の「8」「9」の設定もあって、3kWに相当する火力の「9」なら、1Lの水が約2分強(※3)で沸かせます。
もちろん、炒め物も充分な火力でシャキッと調理することができます。
- ※14.65kW=4,000kcal/h
- ※2パナソニック実測値。通常のIH加熱で鉄・ステンレスを加熱した場合。
- ※3水温20℃の水1Lを90℃にするまでの時間。
加えて、IHは鍋底自体が発熱するため、
- 高い熱効率で、高火力が得られる
- 立ち消えの心配がないトロ火~強火まで、安定した火力で幅広い温度コントロールができる
- 鍋底全体が熱くなるので、加熱ムラが少ない
- 輻射熱が少なく、周囲が熱くなりにくい
といったメリットがあります。
操作部
IHクッキングヒーターはヒーターの操作部が天面にあるので、屈まず操作が出来、見やすく使いやすくなっています。
形状もワンタッチで火力調整でき液晶画面のついたスタイリッシュなガラスタッチタイプやボタンプッシュタイプ、ダイヤルを回してガスコンロの様に直感的に操作できるダイヤルタイプなどがあります。
- ガラスタッチタイプ
- ボタンプッシュタイプ
- ダイヤル操作タイプ
グリル
グリルは近年は水無し両面焼きグリルが主流です。
グリルの受け皿に水を入れたり魚を裏返す手間もなく、こんがり焼くことができます
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焼き網タイプ
ベーシックな価格帯のものはこちらです。魚を焼くなど基本機能だけで十分な方におすすめです。
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グリル皿タイプ
ミドル・ハイグレードの商品には掃除が簡単で、さまざまな調理が可能な専用プレート付きのグリルが主流となっています。
IHのメリット
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安全
- 直火を使わないので安全・ガス漏れの心配なし
- 火災のリスク、火傷や服・髪などへの燃え移りの危険が減り、小さなお子様や高齢の方がいらっしゃるご家庭にもおすすめです。
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高効率
- 約90%※1の高い熱効率、1Lの水も約2分※2でスピード湯沸かし
- IHなら、ほとんどの加熱のエネルギーを調理パワーに活かすことができます。
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火加減上手
- とろ火から強火まで火加減が自在、立ち消えもなし
- 直火がなくて立ち消えの心配がないので、タイマー調理も安心。
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快適
- 鍋まわりが熱くなりにくく、調理中も快適
- 輻射熱が少ないので、夏の調理も快適。冷房効率も良くなります。
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クリーン
- おそうじしやすい凹凸のないフラットなトッププレート
- 油煙や飛び散りが少なく、壁や換気扇の油汚れも軽減されます。
- ※2鉄・ステンレス対応IH。
- ※320℃の水1Lを90℃にする時間。IH3kWで直径21cm・定格4Lのステンレス多層鍋を使用。日本電機工業会自主基準に基づく測定方法による。パナソニック実測。(パナソニック標準鍋を使用)
2. IHクッキングヒーターの選び方
ステップ1IHが設置可能か確認する
まず、現在お使いのコンロを確認します。
現在ビルトインIHをお使いの方はそのまま交換できます
IHの下に電気オーブンがある場合、そのままお使いになる場合は現在と同じメーカーのIHにする必要があります。
電気オーブンを撤去する場合は別途費用が発生しますので、まずはお問い合わせください。
現在ビルトインIHをお使いではない方は設置の可否の確認が必要
- 現在はガスコンロをお使いの方
- 現在は据置型のIHをお使いの方
現在ガスコンロをお使いの方がIHに交換したい場合も、サイズの規格が統一されているため、キッチン全体ではなくコンロ部分のみの取り替えができます。
しかし「ガス」から「電気」へ変更するため、別途費用が発生します。一般的な家電製品の100Vと違い、IHクッキングヒーターを使うには消費電力が大きい200Vの電源が必要となります。そのため、ガスの閉栓工事や電気の配線工事が必要となります。
現在据置型のIHをお使いの方は「据置用枠」を利用してビルトインIHを据置型のスペースに設置することも可能です。
いずれもリノコは下見の上で無料で見積りをお出ししますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
ステップ2トッププレートのサイズを決める
サイズは2種類から選べます
IH本体のサイズは統一されていますので、ほとんどのキッチンにそのまま設置することができます。天板(トッププレート)の幅は、60cmの標準タイプと75cmのワイドタイプとの2種類から選べます。
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60cm幅の場合
調理スペースをゆったり確保できます。狭い間口のキッチンにもおすすめです。標準的な幅で人気です。
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75cm幅の場合
75cmでもヒーターの間隔は同じですが、天板が広くなり耐熱部分が増えるので、鍋などを置くことができます。ワークトップの広さに余裕がある場合おすすめです。
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60cmと75cmの商品を探す
60cm幅のIH 60cm幅のIHを探す75cm幅のIH 75cm幅のIHを探す -
サイズ変更にはレンジフードに注意が必要
IH本体の埋め込む部分のサイズは60cmでも75cmでも同じなので、現在お使いのサイズから変更は可能です。しかし、消防法の定めにより、現在のレンジフードの幅より大きなサイズのIHクッキングヒーターを設置することはできません。
また、75cm幅から65cm幅にした場合は、天板の跡が左右7.5cm残ります。
ステップ3ヒーターの口数・グリルを決める
3口IHが主流、2口IHとラジエントヒーターでも基本機能は備えています
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3口IH
- メリット
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- 効率よく調理できる
- 種類が豊富で好きな商品を選べる
- ヒーターもグリルも高機能の商品がある
- オールメタル対応がある
- デメリット
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- やや高価
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2口IH+ラジエントヒーター
- メリット
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- 安価
- 基本機能は充分
- ラジエントヒーターでIHで使えない鍋が使えたり炙りができる
- デメリット
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- 種類が少ない
- 性能は3口より低い
- グリルも基本機能のみが多い
グリルは価格に合わせて高性能になります
グリルは価格帯で機能が異なります。近年は水無し両面焼きグリルが主流です。
グリルの受け皿に水を入れたり魚を裏返す手間もなく、こんがり焼くことができます
グリルはメーカーでも特色の出る部分ですので、好みに合わせて選びましょう。
>>ステップ5「メーカー・商品を選ぶ」
も参考にしてください。
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ベーシック(10〜15万円前後)
- 焼き網タイプ
- ベーシックな価格帯のものはこちらです。魚を焼くなど基本機能だけで十分な方におすすめです。
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ミドルクラス(15〜20万円前後)
- グリル皿タイプ
- 焼き網よりも洗いやすい専用プレート付きのグリルタイプです。グリル庫内もフラットで掃除しやすくなっています。
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ミドルクラス(20万円〜)
- ダッチオーブンタイプ
- グリル機能だけでなく「焼・煮・蒸」の調理から、お菓子やパンづくりなどが可能で幅広い料理が作れます。
ステップ4欲しい機能をチェック
IHクッキングヒーターには便利な機能がたくさん付いています。安価でシンプルな商品でもいいという場合でも、最低限自分が使いたい機能が付いているかチェックしましょう。ここでは主な機能を紹介します。
ダッチオーブン対応や、オールメタル対応の機種は比較的高価になります。
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- オールメタル
- アルミ・銅鍋などすべての金属製の鍋が使えるIHヒーターが付いています。(左右両方や、片方のみ対応があります)
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- 湯沸かし
- お湯の沸騰を検知し、火力を自動でコントロールし吹きこぼれを防止。その後、一定時間保温します。
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- 炊飯
- 火加減を自動で調整し、手軽にご飯が炊けます。
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- 揚げ物温度調節
- 食材投入時に温度が下がっても素早く検知して温度復帰。揚げ物をカラッとおいしく仕上げます。
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- 水無し両面焼き
- 魚を焼く際に受け皿に水を入れる手間がなく調理可能。両面焼きでこんがりおいしく焼き上げます。
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- ダッチオーブン
- 「焼・煮・蒸」の調理から、お菓子やパンづくりなど、ダッチオーブンが家庭でかんたんに楽しめます。
検索ページでも機能を絞って検索することができます。
IHクッキングヒーターを探すステップ5メーカー・商品を選ぶ
主なIHクッキングヒーターのメーカーは圧倒的シェアのパナソニック、日立、三菱電機の3社です。
それぞれ多彩な機能があり、使い方や好みに合わせて選べます。
パナソニックのIHクッキングヒーター
国内シェアNO.1のパナソニックのIHクッキングヒーター。先進技術とおそうじのラクさに優れています。
すべてのIHに光火力センサーを搭載し、IHでも鍋振りが出来て、揚げ物も素早い温度調節が可能。
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IH&遠赤 Wフラット ラクッキングリル
パナソニックはグリルにも IH を搭載。お鍋が入るグリルで、お料理の幅が拡がる新たなラクッキングリル。魚や鶏肉を冷凍のままグリル皿に並べて、一気に焼き上げる「凍ったままIHグリル」機能や自動調理メニューも。
平面ヒーターでWフラットな庫内で、おそうじもラクラクです。 -
光火力センサー
きめ細やかな温度コントロールでおいしさを支えます。
光火力センサーで鍋底温度を正確にキャッチし、設定温度をキープします。経験とコツが必要な焼き物調理、油を一定温度に保ちたい揚げ物調理も手軽においしく調理できます。
パナソニックのおすすめのIHクッキングヒーター
日立のIHクッキングヒーター
日立のIHクッキングヒーターは、多彩な料理を手軽においしく作れる「ラク旨グリル&オーブン」と高いデザイン性が特徴です。
人工大理石のカウンタートップと調和するパールホワイト色の美しい天板があるのも日立の特徴です。
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ラク旨グリル&オーブン
料理に合わせて火加減をおまかせ。多彩な料理を手軽においしく。
「ラク旨グリル」裏返す手間なく表面をパリッと焼き上げる魚焼きやノンフライ、加熱水蒸気などのグリル料理に。
「ラク旨オーブン」はじっくり火を通すローストビーフなどのオーブン調理が手軽に楽しめます。さらにオーブン機能のオートメニューで業界初となる「魚煮つけ」を採用しました。 -
適温調理
メニューを選んで設定目安温度を設定すれば、フライパン温度を自動でキープするので、手動ではむずかしい火加減も簡単です。さらに、途中で温度の切り替えや残り時間のタイマー設定もできます。
日立のおすすめのIHクッキングヒーター
三菱電機のIHクッキングヒーター
三菱電機のIHクッキングヒーターは、大口径IHコイルでしかも省エネの「びっくリング加熱」や、三菱だけの熱風循環加熱式の「びっクリアオーブン」が特徴。
また、ダイヤル式の温度調整なので、ガスコンロに慣れた方にも感覚的に使いやすくなっています。
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びっクリアオーブン
「びっクリアオーブン」は三菱だけ※の熱風循環加熱方式。熱風を循環させて加熱するから、ヘルシーなノンフライ調理も手軽にできます。そのうえ庫内は広々。 底面がフラットになったことで、お手入れもよりらく楽になりました。
※2020年10月現在(家庭用ビルトイン型IHクッキングヒーターにおいて)
今までにない、おいしさと使いやすさのオーブンです。 -
対流煮込み加熱〈プラス〉
三菱I H独自※の〈びっくリングコイルP 〉が、鍋底を分割で加熱。分割エリアごとに制御できるから、自動で加熱と停止を繰り返し、最適なかきまぜ効果のある交互対流をおこします。だから具材の一つ一つまで旨味をしみ込ませながら、煮くずれや焦げつきを抑制。カレーも焦げつきにくいから、かき混ぜる手間なく調理いただけます。
※2021年2月現在(家庭用ビルトイン型IHクッキングヒーターにおいて)
また、長時間かかる本格的な煮込み料理も、ご家庭でカンタンに。
三菱電機のおすすめのIHクッキングヒーター
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