中古マンションをリフォームするメリット・デメリットは？　配管や耐震設備など物件選びのポイントは？

1.中古マンションリフォームのメリット

中古マンションをリフォームするメリットは３つです。

１．思い通りの住宅にできる

中古マンションをリフォームすれば、新築マンションの購入よりも思い通りの住まいにできます。例えば、床材、壁紙、キッチン、洗面台などお気に入りのデザインやメーカーを選べます。新築マンションは、すべて新しいという気持ちよさがありますが、キッチンの高さや床材のデザインなど細かい注文には費用が発生します。中古マンションリフォームのメリットは、細かい部分の希望まで実現できるところにあります。

２．購入費用を抑えられる

新築分譲マンションの販売価格が値下げすることはほとんどありません。中古マンションは購入のタイミングによっては価格交渉もできます。リフォームを前提に中古マンションを探せば新築マンションの購入よりもお値打ちに購入することができます。

３．住まいの選択肢を広げられる

駅近のマンションは予算よりも高く、人気のエリアには住みたい間取りのマンションがないなど、新築マンションの購入にはいくつかハードルがあります。その点、中古マンションなら立地条件の幅も広がり、マンションの選択肢も増えるので、より多くの物件の中から希望の住まいを絞ることができます。

2.中古マンションリフォームのデメリット

次に、中古マンションリフォームのデメリットについても知っておきましょう。

１．住み始めるまで時間がかかる

中古マンションのリフォームには打ち合わせ～施工完了するまで期間が必要です。そのため、購入してすぐに住み始めることができません。引っ越し予定日によっては仮住まいの手配も検討に入れ、その分の費用も予算に入れておきましょう。家具や大きな荷物は、引っ越し業者の預かりサービスを利用しましょう。

２．リフォームできない部分がある

リフォームできるのは専有部のみ

中古マンションでリフォームできるのは専有部のみです。マンションに住んでいる全員が使用する共用部はリフォームできません。共用部の中にはドアや窓など、一見専有部と間違いやすい場所もありますので、しっかり覚えておきましょう。

専有部でもリフォームできない部分がある

専有部でも、マンションの管理規約でリフォームできる範囲が定められていれば、それに従う必要があります。工事中、工事後の騒音のクレームを避けるため、床材は変更できない場合もあります。中古マンションのリフォームでは、床材の張替えはよくある事例です。必ず事前にマンションの管理規約をチェックしましょう。

３．工事費や諸費用が限度額を超えると自己資金での支払いが発生する

リフォームローンにはリフォーム工事にかかる諸費用も含められますが、見積書に記載された金額に加えた諸費用が借入限度額を超えてしまうと、超えた分は自己資金で支払わなければなりません。

諸費用もリフォーム費用に含めたい場合は、諸費用分をおさえた工事内容にして工事費用を設定したり、仮審査などでいくら借入できるのか確認したりした上でリフォーム費用を決めるようにしましょう。

3.リフォーム予定の中古マンションを選ぶときのポイント

それでは、中古マンションリフォームのメリット・デメリットを理解した上で、中古マンションを探す場合の追加ポイントをみていきましょう。

●配管工事は必要かどうか、しっかり確認しよう

中古マンション購入の際は、配管工事が必要か事前に確認しましょう。

見た目はせっかくキレイにリフォームしても、配管の老朽化に気づかずに入居し、短期間で再度リフォームするのは避けたいところです。特に築年数が15年を超える中古マンションを購入する際は、配管工事が必要な物件かどうか事前に確認しておきましょう。

築30年を超える中古マンションの場合、これまで一度も配管工事をしていないのであれば、入居前の配管工事は必須ですが、15年未満の場合は一度、検討してみる必要があります。目安としては、配管洗浄をしても排水が詰まりやすい場合は、配管交換工事のタイミングと考えましょう。仲介会社の担当者などに、一緒に確認してもらいましょう。

ただし、工事できるのは専有部分にある配管のみです。マンション全体の排水状況に不安のあるマンションは購入を避けましょう。

●耐震施工の状況を確認しよう

マンションの耐震性の見極めには2種類あります。
まずは、1981年6月に改正された建築基準法により、建築物は震度6～7程度の大規模地震でも倒壊しない強さにする新たな基準が設けられました。つまり、それ以降に建設されたマンションであれば、耐震基準は満たしていると言えます。

次に、修繕履歴や修繕計画表を確認しましょう。10年～15年周期で行われる大規模修繕の際に、耐震補強なども行われていれば、耐震に関してしっかりと対策しているマンションであると言えます。ただ、購入予定者にそのような記録を開示しないケースも多くあります。その場合は、修繕積立金の金額で判断しましょう。修繕積立金の適正な金額は、m2当たり200円と言われます。専有面積が70m2のマンションなら1万4000円が目安です。それよりも安い場合、15年ごとにやってくる修繕時にお金が足りず、充分なメンテナンスが行われていない可能性もありますので、注意が必要です。

●周辺環境・近年の建設予定等もしっかり確認しよう

周辺環境のチェックも怠らないようにしましょう。スーパーや病院、学校など日ごろ利用する施設の確認はもちろんですが、今後建設予定の施設や住宅についても管理会社や自治体などに問い合わせてみましょう。建設場所によっては、日当たり、交通量が当初の予定と変わってしまうことも考えられます。それらを見越して購入したいところです。より便利になる施設であれば、購入の後押しにもなるかもしれません。

4.まとめ

中古マンションリフォームのメリット

リフォームのメリットは3つです。

１．思い通りの住宅にできる
２．費用を抑えられる
３．住まいの選択肢を広げられる

キッチンの高さ、洗面台のメーカーなど細かい希望にも応えられるのが中古マンションリフォームのメリットです。新築にこだわらないことで、住まいの選択肢が広がるため、予算内に収まる住宅もより探しやすくなります。

中古マンションリフォームのデメリット

リフォームのデメリットは3つです。

１．リフォームできるのは専有部のみ
２．専有部でもリフォームできない部分がある
３．工事費や諸費用が限度額を超えると自己資金での支払いが発生する

中古マンションは、すべてをリフォームできるわけではありません。個人が使用する専有分は自由にリフォームできますが、一見、専有部と間違いやすい玄関、ベランダなど共有部に指定されている部分はリフォームできません。バーベキューができるバルコニーに改装したいなど、オリジナルの希望がある場合は、中古マンションは諦め、戸建て住宅を探しましょう。

また、リフォームを進めていくと、追加費用や諸費用など見積金額よりも高くなってしまう場合があります。ローンでの借入金額を超えた分は、自己負担となりますので痛手が大きくなります。それを避けるためにも見積書を出してもらうまでに、しっかりと話し合いましょう。リノコなら追加料金なしのコミコミ価格なので安心です。

中古マンションを選ぶポイント

●配管工事は必要かどうか、しっかり確認しよう

配管状況の確認は、かならず行いましょう。見た目にはわからない部分ですし、入居後の配管のつまりや不具合は、難しく時間も費用もかかります。マンション全体にかかわる部分には手出しできませんが、キッチンのシンク下、お風呂や洗濯機の排水口など気になる箇所は、確認してもらいましょう。

●耐震施工の状況を確認しよう

1981年6月以降に施工されたマンションであれば、震度6～7に耐えられる構造で建築されているため安心といえますが、10年～15年スパンで行われるマンションの大規模修繕時に耐震補強工事がされているかどうかも重要ポイントとしてみておきましょう。

●周辺環境・近年の建設予定等もしっかり確認しよう

普段利用するスーパー、病院などの他に、近年建設予定の建物や施設についても確認しておきましょう。自治体や管理会社などに聞けば、情報開示してもらえます。購入予定の物件にとって、メリットかデメリットなのかによって決めましょう。

まとめ

予算内に収めることができ、立地条件が理想的なものであれば中古マンションのリフォームはとても魅力的です。ただ、探し始めてすぐに見つかるケースは珍しく、ぴったりのお部屋に出会うためにも、近くの不動産や仲介会社などにあらかじめ希望を伝えておくと良いでしょう。