賃貸でもリフォーム可能な「借主負担DIY型」とは?
2022年01月19日更新
住宅のリフォームは、物件の借主にとっても貸主にとっても頭の痛い問題。「自分好みにリフォームしたいのに契約上できない……」と悩んでいる貸主さんも多いのではないでしょうか。そんな問題の解決策として注目を集めているのが、2014年に国土交通省が提示した、賃貸でも借主がリフォームできる新しい賃貸契約の形「借主負担DIY型」。今回は、借主・貸主双方に大きなメリットのあるこの契約形態について詳しく紹介していきます。
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1.「借主負担DIY型」とは何か?
「借主負担DIY型」に触れる前に、まず通常の不動産賃貸借契約について簡単におさらいしておきましょう。
通常の不動産賃貸借契約では、貸主には「普通に住める状態にして貸す義務」が、借主には「返す時に借りた時の状態に戻す義務(原状回復義務)」があります。
これらの義務を課することは「住んでみたら老朽化や設備の故障でとても住めるような状態ではなかった」、「返還されたら通常に生活できる範囲を超えて家がボロボロになっていた」などのトラブルを防ぐには大変有効なのですが、家のリフォームを行えるのは基本的に貸主のみです。
修繕が必要な物件の場合、貸主がリフォーム費用を確保できなければ貸し出しそのものができないため、老朽化した空き家が増えてしまう原因にもなっていました。
「借主負担DIY型」は主にその空き家問題を解決することをめざして登場したものです。「DIY」とは「do It Yourself」の略語です。この契約では貸主は「普通に住める状態にして貸す義務」を負わないので、老朽化した家でもそのままの状態で貸し出すことが可能です。
一方、借主も「原状回復義務」を負わないので、古い家を借りて自分の負担で自由にリフォームができます。従来の不動産賃貸借契約では貸主しかできなかった住宅の改修やリフォームを、借主ができるようになったのです。
2.借主・貸主双方にメリットあり!
「借主負担DIY型」は借主・貸主双方にとって大きなメリットがあります。
【借主のメリット】
・持ち家と同じ感覚で隅々まで自分好みにリフォームできる。
・リフォーム費用を自分で負担する分、相場より安い賃料で借りることができる。
・自分でリフォームするので、予算などに応じて「この部分だけ」という柔軟な対応が可能。また、リフォーム会社や材料、施工方法などを上手に選ぶことで費用を抑えることも期待できる。
・自分でリフォームした部分については原状回復義務が免除されるので、退去時に追加費用がかからず、敷金の返還などでのトラブルを避けることができる。
【貸主のメリット】
・老朽化などで通常そのままでは貸し出せない物件でも現状のまま貸し出すことができる。費用と手間をかけてリフォームする必要がない。
・借主が自分好みにカスタマイズしてくれることで長期の安定した居住が見込め、経営が安定する。
・退出後も借主が行ったリフォームはそのまま残るので、貸し出す前より設備などがグレードアップし、物件の価値が上がる可能性がある。そのため、次の貸し出し時には家賃をもっと高く設定できる場合がある。
互いが満足する賃貸形態へ
物件の状態に応じて、現状のままでも使える場合は家賃を少しだけ安くする、現状のままでは使えない設備などがある場合は家賃を大幅に安くするなどの細かい調整をすることもできます。
最初にどの範囲までリフォームしていいのかを決めておく必要はありますが、そこさえしっかりしておけば借主・貸主のどちらにとっても魅力のある契約となります。
3.賃貸でもリフォームできる時代へ
賃貸でも諦めないで!
「借主負担DIY型」はもともと空き家になった一戸建て物件の流通促進のために考えられたものなので、現在のところ、実際に導入されているのは地方を中心とした一戸建て物件が大半となっています。
しかし、リクルート住まいカンパニーが2014年4月に行った「賃貸住宅におけるDIY意向調査」によると、アンケートに回答した約半数が「利用してみたい」と答えており、ニーズに押される形でマンションやアパートなど一般の賃貸住宅にも徐々に広がっていくことが期待されています。
このような流れを受けて、一般のマンションやアパートでも壁紙の原状回復を免除したり、照明の変更がOKだったりするところも出はじめています。特に築年数が古いものの中には床や壁まで借主負担で大きなリフォームができる場合もあるので、家を借りる時には、賃貸だからといってリフォームを諦めてしまわずに、一度相談してみるとよいでしょう。
4.広がるリフォームの可能性
少し前までは「賃貸では画鋲の一本にも気を使う」と言われた時代でしたが、現在は賃貸のあり方も大きく変わろうとしています。「賃貸物件だからリフォームは無理!」「リフォーム費用が確保できないから貸し出すのは無理」と最初から決めつけずに、「借主負担DIY型」を含め、貸主・借主双方が納得のいく形態をさがしてみてください。
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