ユニットバス(システムバス)のサイズと選び方を徹底解説!最適なお風呂の大きさとは?
2022年07月07日更新
浴室リフォームを考えるときに注目しがちなのが、ユニットバスバス(システムバス)のお手入れのしやすさや機能・デザインなどではないでしょうか。しかし、ユニットバスを選ぶときには、まずサイズが適切であるかを確認することが重要です。適したサイズの製品のなかから機能やデザインなどを絞り込むと失敗がありません。
ここでは、ユニットバスのサイズ展開や設置条件、選び方のポイントなどについて紹介します。
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- 目次
1.ユニットバス(システムバス)のサイズとは
ユニットバスは規格が決まっている
ユニットバス(システムバス)は、工場であらかじめ壁や天井、床、浴槽などのパーツを作り、設置する場所に搬入して組み立てるお風呂です。
そのため、それぞれの浴室スペースに浴槽などのサイズをあわせるのではなく、決まったサイズのユニットバスをはめ込むイメージになります。
ユニットバスには「戸建て用」と「マンション用」がある
戸建てとマンションでは、浴室の床下や天井の高さに違いがあるため、ユニットバスにも「戸建て用」と「マンション用」とがあります。一部のマンション用ユニットバスを戸建てに設置することはできますが、戸建て用をマンションに設置することはありません。
戸建て用のユニットバスのサイズは坪表記されているものが多く、その坪数は通常「尺モジュール」を基準としています。
尺モジュールとメーターモジュール
「モジュール」とは設計のときの基本的な寸法のことです。もともとは尺モジュールを採用することが多かったのですが、最近ではメーターモジュールを採用することも増えてきました。
■ 尺モジュールとは
尺モジュールは、3尺(910mm)を基本とする設計基準です。寸、尺といった尺貫法をベースにしており、この場合1グリッドをメートル単位に直すと、「910mm×910mm」となります。
■ メーターモジュールとは
メーターモジュールは、1000mm(1m)を基本単位とする設計基準で、1グリッドを「1000mm×1000mm」で考えます。
尺モジュールはメーターモジュールと比べると1辺が90mm(9cm)短くなるため、どちらを採用しているかによって大きさや広さが変わってきます。
2.ユニットバスのサイズの測り方と見方
坪表記と4ケタの数字でのサイズの見方
ユニットバスのサイズはカタログやショールームなどでは「0.75坪」、「1坪」など0.25坪刻みの坪数で表記されていることがあります。
坪数は、浴室の床面積を表示したものです。
一方で、4ケタの数字で表記されるサイズは浴室の内寸です。
1616サイズであれば「奥行き1600mm×幅1600mm」
1624サイズであれば「奥行き1600mm×幅2400mm」
という具合で、規格サイズは10cm単位で設定されています。
浴室の内寸は、自分で測ることができますのでユニットバスを選ぶ場合は、まず設置可能なサイズを確認しましょう。
なぜ坪数表記と4ケタ数値サイズがあるのか?
大きさの表記をどちらかに統一しれば良いと思うかもしれませんが、これには理由があります。
ユニットバスのパーツ「壁」には厚みがあることが理由です。
厚みを考慮すると、浴室の床面積(坪数)のすべてを使用できるわけではありません。そこで、「壁の厚みを差し引いた後の広さはどれだけなのか?」を考える必要がでてきます。
4ケタのサイズ表記では、「このユニットバスは、1坪のスペースに設置できるサイズです」「内部の広さは160cm×160cmです」というように、広さがわかるようになっているというわけです。
例えば、1坪は183cm×183cmですが、ここにユニットバスを設置しようと思った場合、設置可能な最大サイズは1717(奥行き1700mm×幅1700mm)です。これは、壁の厚みが13cmあるということです。強度を考えるとこれくらいの厚みは必要になってきます。
3.ユニットバスの一般的な規格サイズ一覧
※メーカーや商品の基準により坪数は異なることがあります。こちらは一例としてご覧ください。
サイズ | 浴室内寸(奥行き×幅) | 坪数 |
1014サイズ | 1000mm × 1400mm | 0.75坪サイズ |
1116サイズ | 1100mm × 1600mm | |
1216サイズ | 1200mm × 1600mm | |
1218サイズ | 1200mm × 1800mm | |
1316サイズ | 1300mm × 1600mm | |
1317サイズ | 1300mm × 1700mm | |
1416サイズ | 1400mm × 1600mm | 1坪サイズ |
1418サイズ | 1400mm × 1800mm | |
1616サイズ | 1600mm × 1600mm | |
1717サイズ | 1700mm × 1700mm | |
1618サイズ | 1600mm × 1800mm | 1.25坪サイズ |
1620サイズ | 1600mm × 2000mm | |
1621サイズ | 1600mm × 2100mm | |
1624サイズ | 1600mm × 2400mm | 1.5坪サイズ |
1625サイズ | 1600mm × 2500mm |
マンション用はサイズが豊富で1014サイズなど小さいものもあります。また、1621サイズ以降の大きいサイズはほぼ戸建て用で作られています。1116~1620サイズはメーカーごとにややサイズの違いはありますが、戸建て用、マンション用ともに作られているものが多いです。
ユニットバスの一般的なサイズとは?
「0.75坪サイズ」:1116サイズ(マンション)/1216・1317サイズ(共通)
「1坪サイズ」:1416・1418サイズ(マンション)/1616サイズ(共通)
「1.25坪サイズ」:1620サイズ(共通)
「1.5坪サイズ」:1624・1717サイズ(戸建て)
このあたりのサイズが、各メーカー商品も豊富に作られているサイズになります。
お家によって浴室、お風呂のサイズは異なりますので参考としてご覧ください。
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4.ユニットバスのサイズの選び方は?
ユニットバスを選ぶときにチェックしたいポイントをいくつか紹介します。浴室をリフォームする際の参考にしてください。
浴槽の幅
標準的なユニットバスの場合、浴槽の奥行き(短辺)はほぼ同じで約70cmで作られています。
そのため、浴槽の広さを考えるときは足を伸ばす方の「幅」に注目します。
浴槽の幅 | 浴槽のサイズ感 | 坪数サイズ(参考) |
~100cm | 一人で使うには問題ないが、やや窮屈なサイズ 身長によっては足を曲げての入浴になります | 0.75坪 |
~130cm | 標準的なサイズ 身長160cm前後で足を伸ばして入れる広さ | 0.75坪/1坪 |
140cm | ゆったりサイズ 身長180cm前後で少し足を曲げて入れる広さ | 1坪/1.25坪/1.5坪 |
180cm | 親子入浴も可能サイズ 160cm幅以上であれば、ゆったりと足を伸ばせて、 180cm幅以上あれば親子入浴でもゆったりした広さ |
※坪数サイズはメーカーや商品によって異なる場合がありますので参考としてご覧ください。
入浴時の快適さを考えてゆったりサイズを選ぶのいいですし、節水を考える場合には、あえて浴槽のサイズを小さくするという選択もいいでしょう。
洗い場の広さ
上記でも述べたように、ユニットバスは浴槽の奥行きが約70cmでほぼ統一されています。
そのため、ユニットバスのサイズが大きくなるということは、洗い場の面積が広くなるということです。
坪数サイズ | 洗い場のサイズ感 |
0.75坪サイズ | やや手狭さは感じるサイズ 一人で使うには問題ない広さ |
1坪サイズ | 標準的なサイズ 狭くも広くもなく適度な広さ |
1.25坪サイズ | ややゆったりサイズ 親子の入浴でも丁度よい広さ |
1.5坪サイズ | ゆったりサイズ 介護などで介助が必要な場合でも余裕のある広さ |
浴槽の形状タイプや素材から考える
浴槽の形状もスタンダードな「ストレート浴槽」や、幅広な「ワイド浴槽」などメーカーや商品によって選択できる形状が異なることがあります。
特徴的な浴槽を希望する場合には、形状や素材からまず商品を決めて、そこからあったサイズがあるかを探してみるのも1つです。
5.知っておきたい!ユニットバスのサイズ選びのポイント
10cmの違いは大きい!ショールームで体感しましょう。
ユニットバスの規格サイズは10cm刻みで設定されています。たかが10cmといっても、浴室という小さな空間では体感的にも大きく変わります。もし自宅に和室があれば、畳2枚の真ん中に座ってみてください。畳の縁から10cm狭くなったとしたら窮屈に感じないでしょうか。
その違いを実感するためには、ショールームで実際にユニットバスの大きさを確認するのがおすすめです。家族で浴室に入ってみたり、浴槽のなかで足を伸ばしてみたりして、そのサイズを体感してみましょう。ショールームで体験できるのはサイズ感だけではありません。壁や床、浴槽の材質や肌触りなども体感できます。排水口の受け皿も手に取って確認できるため、お手入れのしやすさなども確認できるでしょう。
展示されているユニットバスを見ていると、目移りしてますます悩んでしまうかもしれません。しかし、カタログだけではわからないことはたくさんあります。違いを知るために、また後悔しないために、できるかぎりショールームに足を運んで実物を見ることをおすすめします。
リノコではショールームの予約代行も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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メーカー別の違い
ユニットバスを選ぶとき、同じ「1216」や「1418」などと表記されていたとしても、メーカーによっては若干の違う場合があります。内部はもちろん外部構造も異なるため、ユニットバスを入れるために必要なスペースが変わってきます。また、同メーカー・同サイズのユニットバスでも注意が必要です。
規格やシリーズによっては、同サイズでもパーツの大きさが異なることがあり、スムーズに入れ替えができない可能性も否定できません。たとえば1216サイズのユニットバスで、内寸の長辺1600mmは同じでも、外寸が異なるものがあります。外寸のサイズが合わなければ、壁を壊して拡げるなど予想外の追加工事になるでしょう。
マンションの場合には、まれにオリジナル仕様のユニットバスを使っているケースがあります。部屋数の多い大規模マンションでは、新築時に大量の住宅設備を注文するため、メーカーにオリジナル仕様を融通してもらえるからです。もしもオリジナル仕様だとしたら、同メーカー・同サイズのユニットバスでもサイズが合わないというケースがあるかもしれません。
このような失敗を避けるためにも、ユニットバスのリフォームをする場合には現地の下見を依頼して見積もりや商品の発注を行うようにしましょう。
浴槽のサイズにも気をつけましょう
ユニットバス丸ごとリフォームではなく、浴槽のみを交換したいという要望もあるでしょう。
ユニットバスには、浴槽が置き型のタイプと床と一体型のタイプがあります。置き型であれば浴槽のみの交換が可能です。この場合にも浴室のサイズを確認して浴槽を選択するのですが、サイズが同じだからと安心してはいけません。ユニットバスの浴槽はほぼ壁際ぎりぎりにしっかり収まる大きさです。少しでもサイズが違うと収まらなかったり、すき間ができたりするなどの不具合が生じます。
浴槽のサイズがぴったりでも、床の設置位置がずれてしまうというトラブルが起こるかもしれません。いずれも調整のための追加工事が発生します。「浴槽の交換だけだから」と軽く考えずに、必ずメーカーに確認するようにしましょう。同じメーカーでの交換を考えている場合は、元の商品の品番を伝えれば同じ規格の新商品を教えてもらえるはずです。もし品番がわからなくても、写真で調べてくれるメーカーもあります。
せっかくのリフォームで後悔しないためにも、遠慮せずに事前に相談するようにしましょう。
今よりも大きいサイズを選べるケースも!
浴室リフォームで工期や費用を抑えるには、既存と同じサイズのユニットバスを選ぶのが基本です。しかし近年、浴室スペース全体を広げられるタイプのユニットバスが登場しています。
配管経路を見直し、デッドスペースを利用することで、5~10 cmほど浴室を広げられるようになりました。マンションの場合はあらかじめ余裕をもってユニットバスを設置していることも多く、拡張工事なしで浴室を広くできる可能性があります。より快適なバスタイムを楽しみたい人は検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、施工可能かどうかは事前に念入りに測定をしてみないとわかりません。浴室を広げることができるかどうかは、リフォーム業者やショールームの担当者に相談してみましょう。
6.ユニットバスリフォームの注意点
1.搬入経路は確保できていますか?
ユニットバスを設置するスペースはもちろんですが、搬入経路にも気をつける必要があります。
ユニットバスは壁や天井などの各パーツがあらかじめ作られている規格品です。リフォーム時にはそれらを外部から搬入し、現場で組み立てていきます。そのため、玄関から浴室まで各パーツをスムーズに搬入できるかの確認をしておきましょう。
目安としては、間口65cm以上、曲がり角は75cm以上の幅を確保できていると、ほぼ問題なく搬入できるでしょう。
2.ユニットバスを設置できないケース
パーツを搬入して組み立てるだけと聞くと簡単そうに感じますが、ユニットバスを設置できないケースもあります。
たとえば
・ 浴室内の角が柱で飛び出している
・ 浴室が五角形や六角形などの珍しい形状をしている
といった場合には、規格品であるユニットバスは設置できません。
また
・ 天井が高い
・ 屋根が傾斜している
といった場合にも、施工が難しくなります。
こういったケースでどうしてもユニットバスを設置したい!という場合には、大掛かりな間取り変更が必要になってきます。
7.まとめ:ユニットバスのサイズ選びは慎重に!
ユニットバスのサイズについてここまで詳しくご紹介してきました。
ユニットバスはすでに作られたパーツを組み立てていくので、ある程度のサイズが決まっています。
そもそもユニットバスの搬入が可能なのかを確認した上でリフォームを考える場合、まず戸建て用かマンション用かから始まり、様々な要素でサイズの選択が可能です。
浴室を拡げてサイズアップしたり、浴室の場所を移動するなどの大規模な工事が必要な場合を除き、ある程度サイズを自分で測ることでもリフォームの予算感はある程度掴めるのではないでしょうか。
リフォームの中でも安い工事ではありませんので、実際にユニットバスのリフォームを検討される方は業者に相談して、現地の下見でサイズの確認の上で見積りを取るようにしましょう。
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