介護リフォームにかかる費用と補助金について解説
2022年01月12日更新
少子高齢化の進行に伴って「自宅で介護を行いたい」という家庭は増えています。
一方で介護に適した住宅というのはまだまだありません。
そこで自宅を介護リフォーム(バリアフリーリフォーム)することで高齢者が過ごしやすい環境を整える事が出来ます。
この記事では
・介護リフォームとは何か
・どのようなリフォームに補助金が出るのか
・費用はどれくらいかかるのか
などをわかりやすく解説しているのでぜひご一読ください。
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1.そもそも介護リフォームとは?
「介護リフォーム」は「バリアフリーリフォーム」とも呼ばれ、介護を必要とする人が家で生活するときに感じる不都合や不便を解消していくためのリフォームのことです。
バリアフリーリフォームによって介護される人が暮らしやすくなるだけでなく、介護する人の負担も軽くなります。介護を必要としている家族のために、その障害や状態に合わせたリフォームを行うことが一般的です。
今後、自分や配偶者が高齢になったり介護が必要になったりしたときのために、元気なうちに将来を見越してリフォームをしておくという人もいます。
一般的なリフォームをする場合は
・「移動しやすい」
・「排泄や入浴が楽になる」
・「転倒を防止できる」
という視点で、リフォーム箇所を検討することが望ましいでしょう。
介護を必要とする人は移動が困難になることが多いので、家の中を動きやすくするための工夫が大切です。移動しなくなると体力や気力が衰えてしまいがちですから、もしも、自力で動く能力が残っているのであれば無理なく安全に家庭内を移動できるような方法を考えましょう。
2.介護保険による補助金
高齢者住宅改修費用助成制度
介護リフォームを行う際に知っておくべき公的な助成制度として「高齢者住宅改修費用助成制度」があります。
この制度は最大20万円までではありますが、介護リフォームにかかった費用の最大で9割を補助するものです。
補助を受けるための条件となるのは
・介護保険制度の要支援・要介護認定を受けている
・助成金となる対象の工事を行う
の2つです。
この助成金は基本的に一生涯で一度だけ受け取ることが出来ますが
・介護される人が転居した場合
・要介護ランクが1→4など3段階以上上がった場合
は改めて20万円まで受け取ることが出来ます。
介護保険制度以外に、各地方自治体で介護のためのリフォームに独自の補助金を設けているところもあるので介護リフォームを考えている場合は無いように関わらず一度自治体に相談するのが良いでしょう。
住宅特定改修特別税額控除
介護リフォームは助成金だけでなく減税の対象にもなります。
バリアフリー住宅にするための改修工事の際に利用する「住宅特定改修特別税額控除」では2009年4月1日から2021年12月31日までの期限内に工事をして居住することで所得税の一部が減税となります。
ただし、バリアフリーリフォームの日から6カ月以内に居住していることや税額控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下であるといったことも控除を受けるための条件となります。
さらに、リフォーム工事を依頼している人が高齢者と同居している人、あるいは「要介護」か「要支援」の認定を受けている本人である、または年齢が50歳以上であったり、所得税法上の障害者であったりといった条件のいずれかに該当していることなども求められます。
住宅ローンを利用している方はどちらかの選択制となりますが、住宅特定改修特別税額控除自体は住宅ローンの利用がなくても控除を受けることができます。このため、該当している人はぜひ確認して利用するとよいでしょう。
3.補助金の対象となるリフォーム
補助金を受け取るための条件として「対象となる工事」を行う必要があります。
ここでは補助金を受けることが出来る介護リフォーム内容を紹介します。
手すりの取り付け
とても重要な手すり
階段や廊下への手すりの設置はもちろん、トイレや浴室への設置も補助の対象になります。
一方で家具などを手すり付きのものへと買い替えたりする費用は対象外ですのでご注意ください。
かかる費用は手すりの素材や長さによって変わりますが、5~15万円程度でつけることが出来ます。
段差の解消
人気の介護リフォームとしては段差を解消するためのスロープの設置も人気の介護リフォームです。
引き戸のレール、敷居といった室内の細かな段差の撤去やお風呂を使いやすくするために浴槽内の床のかさ上げ工事も補助の対象です。
一方で階段用のリフトなどの設置には補助が適用されないので注意してください。
おおよそ12~20万円でリフォームすることが出来ます。
安全な床への張り替え
安全のために活用してみよう
高齢者の家庭内事故で多いのが転倒事故です。それを防ぐためには床を滑りにくいコルクなどの素材へと張り替える必要があります。
また、車椅子を使用している家庭ならキズがつきにくいビニールなどの床材への張替えも補助の対象となります。
部屋の広さや床の素材によってもかかる費用は異なりますが10万円~行うことが出来ます。
関連ページ:床の張替え料金表
開けやすいドアへの交換
現在多くの家庭で使われているのは開き戸では開閉のたびに動く必要があります。
小さな動作ですが要介護者にとっては負担になってしまいます。
そこで小さな力で開閉できる引き戸や弱い力で回すことが出来るドアノブへの変更が補助対象の介護リフォームとなります。
ドアの撤去も対象となります。
おおよそ10~15万円で交換することが出来ます。
和式から洋式便器への交換
手すりが近くにあると安心ですね
和式トイレは仕様する際に足腰に負担がかかるため要介護者にとっては使いにくいです。
そのため洋式トイレへの介護リフォームも補助対象となります。
一方で洋式便器を高機能なものに変えるだけのリフォームでは介護リフォームと認められない事があるため注意しましょう。
費用はトイレ本体のグレードなどによって大きく変わり、20~60万円が一般的です。
関連ページ:トイレリフォームの費用相場
これらのリフォームを行うために
・下地の補強
・配管の交換
などのリフォームが必要になった場合も助成金の対象となります。
4.介護リフォームを行う時の注意点
介護士、ケアマネージャーと相談しよう
バリアフリーリフォームで介護保険の適用を受けたい場合はケアマネージャーに相談して、申請について指導を受ける必要があります。
介護保険制度を利用しない場合、「このような工事を行えば、楽に暮らせるようになるのではないか」という思い込みでリフォームを業者に依頼してしまう人もいます。しかし、よりよいリフォームにするためには主治医をはじめケアマネージャーや介護福祉士などの意見を取り入れるようにしましょう。
介護を受ける人の身体の状況や残っている力などを判断し、今後の変化も考慮しつつ工事内容を決めなくてはいけないからです。たとえば、手すりひとつとっても、どの高さに、どのような形状の手すりをつけると動きやすくなるのか、慎重に考える必要があります。
トイレや浴槽などについても、どのようなリフォームが望ましいか自分だけではわからないことも多いのです。介護の専門家の助言を仰ぎつつ、プランを練りましょう。
要介護者にできる限りの自立を促すリフォームを
要介護者の生活は、当然ながら介護者の手助けが必要です。
しかし、全てを任せていては行動範囲、依存度が高まり、健康的な生活はできなくなります。またこの生活が続けば、生きるという意識が弱まってしまう危険性もあります。
ある程度の自立は人間的な生活を送るために必要なのです。そのため、介護リフォームにおいても自立の余地を残した計画を立てなければいけません。
また、介護者が介護しやすい環境であることも大事です。
リフォームを行うとついつい要介護者を優先して考えてしまいますが、介護者にとっても動きやすく過ごしやすい環境を整えておかないと介護疲れを起していまいます。
5.まとめ
介護保険の補助金を受ければ、介護リフォームは随分とやりやすくなるはずです。これ以外にも自治団体の助成金など、各団体で補助金の交付を行っている場合があるので、合わせて確認しましょう。 今回ご紹介したことを参考に、要介護者・介護者ともに安心できる介護リフォームを考えてみてください。
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