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蹴上げとは

階段には上り下りがしやすいものと、しづらいものがあります。その階段の使いやすさを決める重要な要素が蹴上げです。階段を利用する人のことを考えて、適切な蹴上げの寸法を決定するようにしたいものです。↵

意味:蹴上げとは

蹴上げ(けあげ)とは、階段1段分の高さのことです。

階段は足を乗せる板と、それを支える部分で構成されています。足を乗せる板は踏板といいます。踏板は足を直に置く踏み面と、それが階段から出っ張っている段鼻でできています。段鼻がない階段もあります。

そしてその踏板を支えているのが、蹴込み板という階段で引っ込んでいる縦の部分です。この部分の長さが蹴上げ高なのです。

蹴込み板が存在しない開放感のある階段もありますが、板がなくても蹴上げ高という呼び名は変わりません。蹴上げ高と踏板の寸法のバランスは、階段の使いやすさを決める大切な要素です。

蹴上げ高は階段の安全性に関わるため、建築基準法で長さの範囲が決められています。

蹴上げ高が重要である理由

蹴上げ高が高い階段は、急勾配の坂道のようなものです。

小さい子どもや体の不自由な高齢者には、とても使用しづらくなります。もし階段で転べば、下まで転げ落ちて大けがにつながる恐れがあり、また下にいる人が巻き込まれる可能性もあります。

しかし蹴上げ高を低くすると、1段に関しての足の上げ下げは楽になる代わりに、段数が増えます。あまり低くすると、上り下りをまどろっこしく感じる状態になるのです。

その上に、踏板の面積も関係してきます。面積が小さ過ぎれば足を乗せるのに心もとなくなり、大き過ぎれば次の段までたどり着くのに時間が掛かります。テンポ良く登れる階段を作るには、利用する人の足運びを考慮しなければならないのです。

蹴上げ高の決め方

蹴上げ高は、建築基準法で一般住宅のものは23cm以下にするよう定められています。

しかし、小学生が多用する小学校の階段の蹴上げ高は、もっと低い基準に設定されています。学校の階段は大人である教員も使用しますが、安全性に配慮しなければならない児童の足運びを優先しているのです。

自宅の階段の蹴上げ高を決めるのにも、優先する足運びを誰のものにするかで考えます。小さい子どもがいても、成長は早いものですし、親もいつまでも若いままではありません。

ゆるやかな階段にすると、階段に使用されるスペースは増えます。しかし階段は、安全で長く使えなければ困る場所です。蹴上げ高だけでなく手すりや踊り場の設置も含め、快適で安全性の高い階段づくりに配慮しましょう。

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